
1. はじめに
ナス科の花、ペチュニアは、ラッパのような可愛らしい花を咲かせる植物です。ミツバチを引き寄せて授粉を促進する効果があることが知られており、イチゴやトマトのコンパニオンプランツとして活用されます。

人間にとっては食用ではないペチュニアですが、ペチュニアを好んで食害する害虫も存在します。
そこで今回は、ペチュニアの栽培で注意したい害虫4種とその予防法・対処法をご紹介します。
2. ペチュニア栽培で注意したい害虫
2.1 アブラムシ
ペチュニアに被害をもたらすアブラムシには複数の種類があります。種類によって体色や大きさは様々で、緑色や赤褐色、黒色などをしています。

成虫、幼虫ともに葉の裏に密集して吸汁します。アブラムシが大量に発生した株は生育が阻害されてるだけでなく、アブラムシの排泄物にカビが発生してすす病を発病します。
またアブラムシはモザイク病を媒介することが知られています。
粘着力の弱いテープで直接駆除するのが最も簡便な方法です。
また、アブラムシと共生関係にあるアリを除去することでアブラムシの増殖を抑制したり、アブラムシの天敵のテントウムシを利用したりする方法もあります。
2.2 ナスハモグリバエ
ハモグリバエ類にはマメハモグリバエやトマトハモグリバエなど、複数の種類が存在しています。ペチュニアではナスハモグリバエの被害が観察されます。
ナスハモグリバエは幼虫・成虫ともに体長約2㎜ほどで、幼虫が葉肉に潜りこんで食害します。葉の内部を食べ進むため、表面から見ると白い跡が残ります。被害が大きい場合には葉が白く変色し、光合成ができなくなって枯死にいたることもあります。

ナスハモグリバエは葉に産卵するため、苗に卵や幼虫がついている場合があります。ペチュニアだけでなく、トマトやナス、キュウリなど複数の野菜で発生します。
寒冷紗や防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防しましょう。また、天敵である寄生蜂を利用して防除する方法も有効です。
※防虫ネットの張り方についてはこちらの記事をご参照ください。
防虫ネットの張り方とコツ・注意点!初心者向けに丁寧に解説 | AGRIs | 農業技術の集会所
2.3ナメクジ

ナメクジは身近な虫のひとつですが、野菜を栽培している際には大きな被害をもたらす害虫になります。ペチュニア以外にも、ネギやナス、ショウガなど複数の野菜や植物の葉を食い進み、ちぎってしまいます。

特に苗で被害が大きく、食害がひどい場合には生育が著しく阻害されて枯死にいたります。
日本に現在生息しているナメクジは、チャコウラナメクジという種類が一般的です。多湿な環境を好むため、梅雨の時期には特に注意が必要です。生きている葉よりも落ち葉や枯れた茎などを好むため、畑を清潔な状態に保っておくことが大切です。
葉にきらきらと光る跡が残っていたらナメクジがいるかもしれません。葉の裏や地面近くを探して見つけたら取り除きます。
ナメクジを誘引するトラップを畑に仕掛けて直接ナメクジを除去する方法もあります。トラップの中にどのくらいナメクジが捕獲されているかによって、発生状況を同時に確認できます。
2.4 ハスモンヨトウ

ペチュニアを食害するヨトウムシとして、ハスモンヨトウが知られています。ハスモンヨトウは幼虫が葉に食害をもたらします。
初期には葉の表面が食害されるため一部が白く見えるようになります。放置しておくと穴があき、やがて葉がボロボロになります。

ハスモンヨトウの幼虫は、昼間は土の中に隠れていて夜に活動を開始します。成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めましょう。
また、ペチュニアのほかに、ネギやナス、キャベツなど多様な野菜や植物で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合にも注意が必要です。
植え付ける前に圃場をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。
また、成虫であるヨトウガの飛来を防ぐため、ペチュニアに防虫ネットをかけるとよいでしょう。
ヨトウガは葉の裏側に卵を産み付けます。卵を見つけたら、孵化する前に葉ごと切り取って取り除きましょう。
3. ペチュニアを健康に育てるために
害虫が発生すると、植物の生育が阻害されるだけでなく、病気の発生につながる場合もあります。ペチュニアに発生しやすい病気については、以下の記事をご参照ください。
ペチュニアを健康に育てるために!ペチュニア栽培で知っておくべき4つの病気と対処法 | AGRIs | 農業技術の集会所
病害虫を予防してペチュニアを健康に育てるために必要な対処法について、あわせて押さえておきましょう。
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