ニンニクの病気と対策 対処法をわかりやすく解説

ニンニクの病気と対策 対処法をわかりやすく解説

ニンニクは5月下旬ごろから収穫が始まります。今回はニンニクの主な病気とその原因・対策方法とについて解説していきます。

さび病

症状

葉の表面にオレンジ色のやや盛り上がった小斑点(夏胞子堆)でき、やがて表皮が破れて胞子を飛散させます。指で触るとオレンジ色の粉が付きます。
多数の病斑を生じた葉では、黒っぽい小斑点(冬胞子堆)を形成することもあります。病斑が多数生じた葉は、やがて枯れていきます。

原因

畑の周辺にさび病のネギ属植物があると、秋に出た葉に感染します。越冬後に感染葉が枯れない場合には伝染源となり、春からの発生が早まる場合があります。
降雨よりも、葉が朝露で濡れる状況で病斑はよく作られます。窒素肥料が多い圃場で発生が多くなります。20g前後の大きい種子を植えた場合、発生が多くなります。圃場周辺にさび病が発生したネギやタマネギなどがある場合は、多発生になる傾向があります。

対処法

窒素肥料は適正量を施しましょう。特に、ウイルスフリー種子や20g前後の大きい種子の場合には施肥量を少なめにして、生育に合わせて追肥しましょう。発生前や発生初期には予防剤を丁寧に散布します。圃場全般に発生するようになれば、治療効果のある殺菌剤を選択しましょう。散布数日後にオレンジ色の病斑が白く変色すると治癒した証拠です。
ヤマセなど冷たい霧雨が降るような地域では、アミスター20フロアブルやシグナムWDGなどQoI剤を組み合わせて複数回も散布すると、他の病害の発生を助長する場合があるので、できるだけ少ない回数にしましょう。

葉枯病

症状

主に、葉に病斑ができます。稀に、収穫した側球(鱗片)に暗赤紫色の乾腐病斑を生じることがあります。はじめ白い円形~楕円形の小さな斑点を生じ、やがて1~2cmの病斑になります。気温が高めの時は中央部が赤紫色の紫斑型病斑となり、やや低温の時には中央部が淡褐色のままの黄斑型病斑となりますが、2種類が混在して発生する場合も多いようです。湿度が高い時は、病斑上には黒い粉状の胞子(分生胞子)が形成されます。

原因

最高気温が20~25℃前後で推移するようになると発生が急増してきます。湿度が高くて、降雨が続くようなときには急増します。圃場周辺に葉枯病が発生したネギなどがある場合は、多発生になる傾向があります。

対処法

早期発見に心掛けて、病斑を見つけたら、速やかに有効な殺菌剤を丁寧に散布します。圃場に坪状にみえる時には、より効果の高い殺菌剤を選択しましょう。QoI剤を散布した圃場で葉枯症状株が急増する場合があるので、その後の発生に注意しましょう。

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青カビ病

症状

萌芽から越冬後に発病した株は、生育不良となって光沢のある葉になります。越冬後、葉の根元の腐敗が激しくなると枯死します。収穫期頃になると、根が腐敗して地上部は萎れてきます。掘り上げると、鱗球の皮が腐敗して、表面には青緑色のカビを生じています。

原因

種子消毒後の乾燥が不十分で水分が残っていると容易に発根し、根の先端(根端)に菌が感染し、根や貯蔵葉などを腐敗させます。アザミウマやサビダニなどの加害を受けた種子は、傷跡から菌が感染し、やがて腐敗します。

対処法

種子消毒後は、速やかに乾燥させましょう土壌水分が高い圃場では、深耕(プラソイラー、サブソイラー)で耕盤を壊して、水が溜まらないように排水対策を必ず実施しましょう。

病気が広まってしまった場合

いくつかの病気への対処法をご紹介してきましたが、美味しいにんにくを収穫するためにはやはり農薬の力を借りる必要が出てきます。本サイトの農薬データベース(対象農作物ににんにく、適用病害虫に病気名を入力してください)に記載された情報を参考にしてください。

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