1. ネギとは
学名 | 和名/別名 | 分類 | 原産地 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|---|---|---|
Allium fistulosum L. | ネギ | ユリ科ネギ属 | 中国西部/中央アジア | 20℃前後 | 20℃前後 |

ネギは中国が原産のユリ科ネギ属の野菜です。日本には8世紀にはすでに伝わっていたと考えられており、江戸時代には日本各地で栽培されていました。
現在、日本で栽培されているネギの種類は大きく分けて2種類あり、主に関東地方で好まれてきた白ネギと、関西地方で好まれてきた青ネギとに分類されます。白ネギとは主に白い部分を食べる根深ネギのことで、長ネギとも呼ばれます。栽培時に葉先が出てくるのに合わせて土寄せを行い、白くて柔らかい部分が長くなるように育てます。

一方の青ネギは「葉ネギ」とも呼ばれ、全体的に細く、緑色の葉の部分が長くなるように育てられます。また、長ネギ・葉ネギのほか、生のまま薬味として活用される万能ねぎなども知られています。
ネギの種類や旬についてはこちらの記事をご覧ください。
ネギ好きな方必見!ネギが一番美味しくなる本当の旬と日本のネギの種類 | AGRIs | 農業技術の集会所
ネギは、アリシンという特有の辛み成分を持つだけでなく、ミネラルやビタミンC、カロテンなど多くの栄養素が含まれており、健康によい野菜として知られています。「ネギを首に巻くと風邪が治る」という話も聞きますが、本当でしょうか。
こちらの記事では、ネギに含まれるアリシンの効果について解説します。
ネギを首に巻くと病気が治るって本当?ネギと病気にまつわる噂の真偽とは | AGRIs | 農業技術の集会所 | AGRIs | 農業技術の集会所
2. 栽培時期
長ネギの場合、3月~4月に種をまいて12月~2月頃にかけて収穫する春まきと、9月~10月に播種して翌年の夏~秋にかけて収穫する秋まきに大別されます。
地域や品種によって、収穫までに必要な日数が異なります。

3. ネギの栽培
3.1 苗床の準備・播種・育苗
畑の一角に苗床を用意して長ネギの苗を作ります。苗床には、播種のおよそ2週間前までに堆肥と元肥をすき込み、表面を平坦にならしておきます。元肥は、1㎡あたり苦土石灰約100g、堆肥約3㎏、化成肥料150gほどを混ぜ込みます。
なお、長ネギは肥料焼けを起こしやすいため、元肥を入れ過ぎないようにしましょう。
少量しか栽培しない場合は、育苗箱に培養土を入れて苗作りをすると手軽です。
長ネギの発芽適温は20℃前後といわれています。日光は十分に当てる必要がありますが、高温になりすぎないように注意しましょう。水はけが悪い畑では高畝を立てます。

苗床の準備が整ったら、10~20㎝ずつ間隔をあけて深さ1㎝ほどのまき溝をつけます。その後、まき溝の中に約5㎜の間隔で種を条まきしましょう。種をまきおわったら、3~5㎜ほどの厚みで土をかぶせ、軽く押さえてたっぷり水をやります。

本葉が出てきたら間引きを行います。草丈が7~8cmに伸びたら2cmずつ間隔があくように調整します。さらに成長して草丈が10cmになったら、3cm間隔になるようにしましょう。
種をまいた後は、1カ月ごとに追肥を行います。化成肥料を1㎡あたり約50g(1握り程度)ばらまき、鍬で軽く耕します。
3.2 土づくり
定植の3週間ほど前に、1㎡あたり石灰150gを散布して耕します。
その2週間後に、1㎡あたり堆肥を3〜4kg、化成肥料を150gまいて再びしっかりとすき込みます。
土の準備が整ったらマルチを敷くとよいでしょう。害虫の飛来や雨が降ったときの泥はねを防ぐ効果があります。

土のpHは6.0〜6.5が目安です。長ネギは酸性土壌を嫌うため、石灰を入れて酸度調整をしておきます。また、長ネギは過湿に弱いため、水はけの良い場所を選びましょう。
プランターで栽培する場合には、野菜用の培養土を使用するのがおすすめです。
4. ネギの栽培:栽培管理
4.1 定植
畝幅が60~70㎝の畝を作り、中央に深さ10~15㎝程度の側溝を掘ります。その後、株間が6~9cmとなるように側溝に苗を立てかけ、根元に3cmほど覆土します。
この上に敷ワラや堆肥をかけ、乾燥を防ぎましょう。
4.2 土寄せ・追肥
定植から40~50日が経過したら、今度は6~7㎝ほど根本付近に土をかけて土寄せをおこないます。その後は約3週間ごとに土寄せを繰り返し、収穫の30~40日前には長ネギの葉の際まで土がたどり着くようにします。
土寄せと併せて、計3回追肥をおこないます。追肥に使用する化成肥料の量は1㎡あたり約50gずつです。
追肥の時期はそれぞれ、定植の40~50日後、その3週間後、そしてそのさらに3週間後です。収穫の30~40日前に土寄せを行う際には追肥は不要です。
4.3 病気・害虫に注意!
ネギの栽培では、萎黄病やべと病、軟腐病など様々な病気に注意する必要があります。こちらの記事では、ネギに発生しやすい7つの病気について、原因や対処法をご紹介しています。
ネギを栽培される方へ!ネギ栽培における病気とその対処法まとめ | AGRIs | 農業技術の集会所
ネギの柔らかい葉は害虫にとっても非常に魅力的です。アザミウマやハモグリバエ、ネキリムシなど、ネギ栽培で注意すべき害虫は少なくありません。
こちらの記事では、害虫による被害が生じた場合の見分け方や対策方法をご紹介しています。
ネギを害虫から守るために!7つの害虫の被害から対策までまとめ | AGRIs | 農業技術の集会所
5. ネギの栽培:収穫

長ネギは、白い部分が長くなったらスコップや鍬で畝の端から土を掘り、必要な分だけ収穫します。トウ立ちしない限りは収穫を続けることができます。
ネギは、一定の期間低温に当たると「トウ立ち」する性質があります。
トウ立ちとは、気温が上がり日が長くなるにつれて、ネギ坊主が伸びてきて花を咲かせる(あるいは花芽が出る)ことを指します。
秋まき・春植え栽培では、植える前の苗がすでに花芽を持っている可能性があるため、植え付けた苗からネギ坊主が伸びてきたらすぐに摘み取りましょう。
6. おわりに
今回はネギの栽培方法についてご紹介しました。ネギには、上図に他の野菜と組み合わせて植えると、害虫を遠ざける効果を発揮することがあります。そのような組み合わせをコンパニオンプランツと呼びます。
こちらの記事では、コンパニオンプランツとしてネギ科野菜を取り入れる際の組み合わせ方をご紹介しています。
【ネギ科編】コンパニオンプランツを取り入れて家庭菜園を充実させよう!効果的なコンパニオンプランツの組み合わせ方
コンパニオンプランツを取り入れて、楽しく家庭菜園に取り組みましょう。
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