
1. マリーゴールドとは
学名 | 和名/別名 | 分類 | 原産地 | 発芽適温 | 生育適温 |
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Tagetes | マリーゴールド/センジュギク/クジャクソウ | キク科コウオウソウ属 | メキシコ | 15~20℃ | 10~30℃ |

マリーゴールドはメキシコが原産のキク科の一年草です。鮮やかな橙色や黄色、赤色の花が咲きます。品種によっては白やクリーム色の花をつける場合もあります。

花弁は一重のものから八重のものまで品種によって様々で、草丈も20㎝前後の小型のものから2mを超すものまで多くの種類があります。フレンチ種とアフリカン種の2種類が有名で、それぞれさらに細かな多数の系統に分類することができます。
日本では、フレンチ種のマリーゴールドを「クジャクソウ(孔雀草)」、アフリカン種のマリーゴールドを「マンジュギク(万寿菊)」と呼んで区別しています。マリーゴールドの品種についてはこちらの記事をご覧ください。
【マリーゴールド大全】マリーゴールドの種類を解説! | AGRIs | 農業技術の集会所
マリーゴールドの香りは独特で、香り自体を楽しむというよりは華やかな花姿を楽しむ種類の花といえるでしょう。カーネーション咲きやクラン咲きなど、異なる種類のマリーゴールドをとり合わせて植えると庭先が華やぎます。
2. 栽培時期

マリーゴールドの開花時期は6月~10月頃です。通常は4月~5月頃に種をまきます。
寒さに弱いため、冬季には枯れてしまいます。翌年、また新たに種まきや挿し芽をおこなって株を増やしましょう。
3. マリーゴールドの栽培
3.1 土づくり
マリーゴールドは1年草のため、一度植え付けたら途中で植え替える必要はありません。種から育てる場合も、苗を買ってきて植えつける場合にも、事前に土を準備しておく必要があります。

マリーゴールドは特に土質は選びませんが、水はけのよさは重要です。粘土質で水はけの悪い土の場合は、腐葉土や堆肥を混ぜておきましょう。
プランター栽培の場合には野菜用の培養土がおすすめです。自分で配合する場合には、赤玉土と腐葉土を7:3の比率で混ぜるとよいでしょう。
地面に植える場合には、高さ約10㎝、幅30~40㎝ほどの畝を立てましょう。種まきや定植は畝の中央付近でおこないます。2列に植える場合には畝の幅を広くとるようにしましょう。
3.2 播種~定植
種から育てる場合には、マリーゴールドを育てたい場所に直接種をまきましょう。マリーゴールドの発芽適温は15~20℃といわれているため、4月~5月が種まきの適期です。

庭先やプランターなど、マリーゴールドを育てたい場所に深さ1㎝ほどの溝をつくって種を条まきします。覆土は5㎜ほどの厚みでおこないます。マリーゴールドの種子は発芽しやすいため、早ければ翌日には芽が出てきます。
マリーゴールドの種子は乾燥に弱いため、播種後は濡れた新聞紙をかぶせて乾燥しないように注意します。発芽後は光を当てるために新聞紙を取り除きますが、育苗中もこまめに水やりを行いましょう。

本葉が10枚ほど出そろったら、頂芽から1~2節下の位置で芽を切り落とします。これによって、脇芽が成長してこんもりとボリュームのある整った姿に仕上がります。この頃に、フレンチ種の場合は20~25㎝、アフリカン種の場合は30~35㎝となるように適宜苗を間引いて株と株の間隔を調整します。

種ではなく苗を買ってきて植える場合には、枝が適度に張っていて形のよいものを選びましょう。植えつけの間隔は、フレンチ種で20~25㎝、アフリカン種で30~35㎝になるようにします。
4. マリーゴールドの栽培:栽培管理
4.1 追肥・水やり
定植後は、1週間に1度のペースで追肥をおこないましょう。液体肥料が簡便です。肥料は株元から少し離して、葉が茂っている範囲にやるようにします。
ただし、肥料のやり過ぎは禁物です。茎葉の生育が盛んになって花が付きにくくなる可能性があるためです。適度な施肥量を心がけましょう。

水をやりすぎると根腐れを起こすため、土の表面が乾いて白っぽくなったら十分に水を与えます。特に夏場の厚さには弱いため、乾燥しすぎていないか十分注意しましょう。
4.2 茎葉の間引き

茎や葉が密になると、風通しが悪くなって湿気や熱がたまりやすくなります。その結果、生育が悪くなったり病気にかかりやすくなったりする可能性があるため、枝葉が混んでいる部分では早めに不要な枝や茎を切り落として風通しを良くすることが大切です。
4.3 病気・害虫に注意!
マリーゴールドの栽培では、モザイク病や立枯病などの病気による被害に注意する必要があります。こちらの記事では、マリーゴールド栽培で気を付けたい5つの病気について、原因や対処法をご紹介しています。
マリーゴールドを病気から守る!知っておくべきマリーゴールドの病気5つとその対策 | AGRIs | 農業技術の集会所
マリーゴールドの柔らかい葉は害虫にとっても非常に魅力的です。ネコブセンチュウを防除することで知られるマリーゴールドですが、ハダニやハモグリバエなど、注意すべき害虫は少なくありません。
こちらの記事では、害虫による被害が生じた場合の見分け方や対策方法をご紹介しています。
マリーゴールドの害虫対策!知っておくべきマリーゴールドの害虫5種まとめ | AGRIs | 農業技術の集会所
4.4 花がら摘み
マリーゴールドは長期にわたって花をつけるため、次から次へと新しい花が咲いて古い花は枯れていきます。このとき、枯れた花を放置しておくと、雨が降った後や水やりの際に濡れて腐ったり、種ができて株の栄養が取られたりします。そこで、咲き終わった花はこまめに取り除いて花が咲き続けられるようにする必要があります。

4.5 切り戻し
真夏の気温が高くなる時期には、暑さによって生育が抑えられて花が咲かなくなることがあります。そこで、8月下旬頃に株の高さが半分くらいになるように思い切って切り戻すと、猛暑が過ぎた後に草勢が回復し、10月頃に再びきれいな花を咲かせるようになります。

夏に花が咲かないからといって必要以上に肥料をあげてしまうと、かえって成長に悪影響がでることもあります。株が枯れない程度に水やりや施肥をおこない、その後の切り戻しで株の勢いを取り戻すことが大切です。
5. マリーゴールドの栽培:増やし方

マリーゴールドは1年草のため、越冬はしませんが、10月頃に花が咲き終わったらしばらくそのまま残しておいて種を採取することができます。ただし、マリーゴールドは品種改良が重ねられているため、自家採種したものは1年目のものに比べて花のつきが悪かったり貧弱になったりする可能性があります。
また、シーズンの途中で株間が不自然に空いてしまった場合には、花の咲いていない茎を切り取って土に挿しておくと、茎の先端から根が生えてきて新たに株が根付きます。これを「挿し芽(さしめ)」と呼びます。挿し芽によって増える野菜としてはサツマイモが有名です。
6. おわりに
今回はマリーゴールドの栽培方法についてご紹介しました。
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