防虫ネットの張り方とコツ・注意点!初心者向けに丁寧に解説

防虫ネットの張り方とコツ・注意点!初心者向けに丁寧に解説

畑作りで覚えておきたいワザの1つに防虫ネットの設置が挙げられます。しかし、正しい方法を知らず、「せっかくネットを張ったのに害虫にやられてしまった」という声も少なくありません。そこで今回は、防虫ネットの選び方から張る際の手順や注意点をご紹介します。

選び方

害虫の大きさに合わせたネットの選び方

害虫の大きさに合わせて防虫ネットの目の細かさ=目合を選びます。各野菜にどの害虫が寄り付くかについては過去の記事をご参照ください。

害虫 目合
オオタバコガ、ハイマダラノメイガ、モンシロチョウ、ヨウトウガ類 2~4mm以下
コナガ、アオムシ、カブラハバチ、ヨウトウムシ類 1.0mm
アブラムシ類 0.8mm
ハモグリバエ類、スジノミハムシ 0.6mm
コナジラミ類、アザミウマ類、モモアカアブラムシ有翅虫、ダイコンサルハムシ幼虫 0.4mm
ヨウトウガ、ハスモンヨトウ、コナガの若齢幼虫 0.4mm

赤色のネットはアザミウマ類に効果的

赤色のネットはアザミウマ類に効果的 赤色の防虫ネットは『アザミウマ類』への侵入抑止効果が高く、0.8mmの目合でも、0.4mmの白色ネットと同程度の防虫効果があります。アザミウマ類によるウイルス性発病株数を大幅におさえることができます。

銀糸を用いることで虫を寄せ付けない

害虫はキラキラした光を嫌うので、銀糸や反射素材を織り込んだものを用いることで、害虫を防ぐことができます。

張り方

作業日は風の少ない日を選ぶ

支柱やネットが風で飛ばされないよう、風の少ない日に作業を行いましょう。

下穴を開ける

はじめに、防虫ネットの支柱を差すために下穴をあけます。支柱の間隔が狭いほど積雪や強風に対し頑丈になります。50~70cm程度の間隔が目安です。支柱穴開け機などを使うと簡単に下穴をあけることができます。

支柱を差す

支柱を下穴に差してアーチを作ります。
グラスファイバー支柱は比較的安価ですが、雪が降るとアーチが潰れることもあります。その際は丈夫な鋼管支柱を数メートル間隔で差すことで、耐久性を上げることができます。


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防虫ネットをかぶせる

防虫ネットを支柱に被せます。このときに害虫がネットの内側に入ってしまわないよう、防虫ネットは畝幅の2倍の長さにカットしておきます。これによりネットを地面に固定しやすくなります。支柱にかぶせた防虫ネットの端は、市販のU字ピンや鉄杭などにしっかり固定します。

土を寄せる

ネットの裾に土を乗せていきます。この際、小さな虫が侵入しないよう隙間を全て埋めてください。防虫ネットの生地と支柱を密着させながら土を乗せていくと、防風対策にもなります。また、トンネルの上に数カ所支柱をかけることで防風効果をアップさせることもできます。

水やり

防虫ネットは水やりのたびに外すべきか、悩みどころですが、できるだけ防虫ネット越しに水やりをしましょう。せっかく張った防虫ネットを外して水やりをしている間に虫に入られてしまったらもともこもありません。
不織布に比べて、防虫ネットは光や水分の透過性を持たせているため、ネットの上から水をかけられるようになっています。液肥についても、ネット越しにかけることができますよ。

その他注意点

・防虫ネットの裾に隙間を作らない
ネットの裾に隙間があると、害虫が侵入するのでしっかり土をのせておきましょう。ネットの両端部は隙間ができやすいので要注意です。

・あらかじめ作物に消毒をしておく
作物に害虫が付着した状態で防虫ネットをかけてしまうと、中で害虫を飼育する、という恐ろしい事態を招くことになります。ネットの内側には天敵もなく、害虫が増殖する一方…。事前にしっかりと消毒をしてからネットをかけましょう。畝立ての前に「太陽熱」で土壌を消毒するとさらに効果がアップします。

・作物よりも高い支柱を立てる
作物が成長し、トンネルの中でパンパンになってしまうことがあります。このとき、害虫がネット越しに産卵している場合が。作物とネットができるだけ接触しないように、作物の大きさにあった防虫ネットの選択、支柱の高さ設計を計画的に行いましょう。

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